Poem, SAN FRANCISCO

Jun 29, 2023

Child in Rain

by Katie Peterson

Pooled you in my pink scarf

until you looked like a rose. 

No, like a bug inside a rose. 

And your happy expression 

looked like a warning. 

All this after trying 

the usuals, cossets 

and cajoling, deontological 

reasoning, promises, 

straight talk. By that I mean—

pretending that you’re grown. 

I will not have you feel ashamed

we must be bargaining 

creatures. We are. 

Your obstinance this morning 

achieves something 

akin to sailing. This layer of the rain

we rarely get in our desert

climate covers your skin 

leaving its petrichor

and we stand for a moment

speechless together. You go in. 

I circle the block with windows open. 

Adorations all over the world 

require the attention of strict devotees. 

I worship what resists.  

note

Japanese translation by Rogan's which is an anonymous translation team.

雨のなかの子ども

ケイティ・ピーターソン

訳 Rogan's

きみはピンクのスカーフにすっぽりひたって

バラのように咲いていた。

いいえ、バラにひそんだ虫かしら。

ほころんだ笑顔が

ひとつの戒めだった。

いつものように

おだて、あまやかし

義務やら責任やらをいい聞かせ

約束し、ありのままに

話そうとしたあとで。ようするにーー

大人あつかいをして。

気まずい思いはさせないわ

わたしたちはやり取りできる

生き物なのですから。そうよね。

今朝、きみはさんざんむずかって

舟のように出ていってしまった。

砂漠気候では

めったに降らないのに

雨のうす膜がきみの肌をおおって

地面にあまい香りをのこしていった

ふたりとも、ちょっとのあいだ

なにも話さずに立ったまま。さあ、入ってらっしゃい。

窓を開けたまま、わたしは家の近くをひとまわり。

崇拝者として、きびしく見まもる

そうすれば、世界をひろく崇める気持ちがわいてくる。

わたしは、まつろわないものを賛美する。


翻訳を担当したRogan’sは、匿名の翻訳グループ。

サイトプランナーで詩人の石田瑞穂と、コーディネーターで詩人の二宮豊による作品解説は、本ページ内の「クロッシングラインズ・ポイエーシス・ポッドキャスト」からお聴きいただけます。

Katie Peterson

Katie Peterson

Katie Peterson lives in the Berkeley Hills, where there is lots of fog and little rain. She is the author of five books of poetry, including Life in a Field (Omnidawn, 2021) and the forthcoming Fog and Smoke (FSG, 2023). Her work has been translated into Portuguese, Spanish, French, Korean, and now, Japanese. She directs the Creative Writing Program at the University of California at Davis. 

ケイティ・ピーターソンはLife in a Field(2021年)やFog and Smoke(2023年出版予定)を含む5冊の詩集の著者である。彼女の作品は日本語のほかに、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、韓国語にも翻訳されている。現在は、霧が多く雨の少ないサンフランシスコ湾のバークレー・ヒルズで暮らしながら、カリフォルニア大学デービス校でクリエイティブ・ライティング・プログラムを担当している。

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あの夏の砂つぶが