<Serialization>

Renshi "Blue in Green"

Poem, TOKYO

Jun 10, 2024

Blue in Green 1

by crossing lines renshi group Ⅲ

 

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Blue in Green 1

crossing lines 連詩 Ⅲ

  一巡目


軽やかにわらえるくらいなつだった
そのひかりを一身に受け
あざとさも酔いも ユーユー口笛吹いて
自慢の種になるのなら 何もしてやれない
はつなつのひかり
今ここで踊れ
 
 
つめたい光から
あたたかな光へ
水と落下する雑談が
ここちいい さあ
日付のない一日を碧とすごそう
六行だけをゆるやかに着て


雨上がりの交差点
犬を散歩させている飼い主同士がすれ違う
啼き声とともに綱をつけられたまま走り寄る二匹
口づけしあう茶と薄茶のトイプードルだ
確認しあっているのか恋しあっているのか
天は笑い出し 雲が千切れる


神鳴りをくぐり ことばが染みわたる
葉と土 人と愛 主と従を 穿って
翠が吸い上げた一ミリは
二千年前から続くクラックの源泉だった
どこまでも伸びゆく線に
ぼくらはなにを読むだろうか

本作品は、各連毎に、長尾、石田、渡辺、二宮の順で綴られた六行詩により構成されている。

crossing lines renshi group Ⅲ

crossing lines renshi group Ⅲ

 

長尾早苗
1993年生まれ。著書に『聖者の行進』『フレア』(いずれも七月堂)他私家版多数。文芸創作ほしのたね、詩誌「ハルハトラム」、「La Vague」に参加。
 Website https://nagao-sanae-1.jimdosite.com/


石田瑞穂
https://crossinglines.xyz/writer/tokyo/mizuhoishida/


渡辺めぐみ
2001年に1篇の詩で「詩と思想」新人賞受賞。詩集に『光の果て』(萩原朔太郎生誕120年記念・前橋文学館賞受賞)、『内在地』(日本詩人クラブ新人賞受賞)、『ルオーのキリストの涙まで』(日本詩歌句大賞受賞)、『昼の岸』(日本詩人クラブ賞、高見順賞、現代詩人賞、小熊秀雄賞各最終候補)(全て思潮社)など5冊。現在日本現代詩人会詩集賞担当理事&入会審査委員。「詩と思想」書評委員。


二宮豊
https://crossinglines.xyz/writer/tokyo/yutakaninomiya/

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