<Serialization>
Renshi "Phantom"
Poem, TOKYO
Nov 16, 2023
Phantom 3
by crossing lines renshi group Ⅱ
Phantom
crossing lines 連詩 Ⅱ
三巡目
視線とは追尾される蝶のこと
やがて藻に絡まる記憶の翅
忘却より ながれの鋭さだけを掬い
この身でゆすぐ
群生するコスモスが
虹の足を 追いかけている
遠さが描く
ほのかな憂い
深入りするほど柔らかくなる重なりは
形からして コエ かも知れない
昨晩までは途切れずに 揺れていた青
冷えた高熱を 薬莢のように込めていた
青に惹かれたまま枯れゆく田園詩
カオスの熱い音をたてながら
山椒の天ぷらを 母が揚げている
まぼろしも現身となり秋木芽
注
本作品は、各連毎に、二宮、ヤリタ、佐峰、石田の順で綴られた四行詩により構成されている。