<Serialization>

Renshi “Trancegression”

Poem, TOKYO

Sep 10, 2024

Trancegression 1

by crossing lines renshi group IV

 

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Trancegression 1

crossing lines 連詩 Ⅳ

  一巡目


列車の窓から 潮風に攫われたことば
零になったバックパック ほんのり重たく


見える海に 目が奪われて
このあふれる光の中で 盲目を強いられる
霊になった気分で 心を飛ばし
天竺にも西蔵にも遠征しよう


ぴん、と耳をそばだてる
黄金色の毛皮をもつ生きモノになって
全身で木霊する
遠い海の高鳴りも 砂漠の蟻ピピーラカの蠢きも
驟雨のような ボクたちの歌声のなかで
引き絞られ 放たれるだろう 越境!


働き蟻のフィクティアン曲線を跨いで
暑い秋なんかこない 歌う氷島へ!

本作品は、各連毎に、二宮、管、森山、石田の順で綴られており、一番手から順に二、四、六行と変化し、四番手から二行にもどる変動型の連詩となっている。

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あの夏の砂つぶが